物件以外にも重要な現地確認とは

住宅地の街並みが広がる画像
物件の現地見学をするときは、建物の確認だけでなく、周辺環境も見て回りましょう。周辺環境の調査は住み替えに際してはとても大切で、失敗しない住まい探しの重要なポイントです。具体的にどのような点を確認すれば良いのか見ていきましょう。

通勤・通学ルート、買い物の利便性をチェック

【通勤・通学の道のり】

主に平日は、多くの人が毎日家と職場・学校を往復しています。そのため通勤・通学路は、しっかり確認する必要があります。

 

不動産の広告表示規約では、1分で歩く距離は80メートルと規定されています。従って「○○駅まで徒歩10分」と表示されている物件は、約800mということになります。

 

しかし、これはあくまでも一般的・平均的な取り決めであり、子供やお年寄りが歩く場合はもっと時間がかかります。途中に信号や坂があれば大人の足でも時間はかかります。一度、家族全員で歩いてみて、ゆっくり歩いた時にかかる時間がどのくらいかを見ておきましょう。歩道の幅やガードレールの有無、スクールゾーンなどで子供が守られているのかも、見るといいでしょう。

 

【買い物ほか生活施設】

暮らしの中で、日常の買い物の利便性はとても重要です。毎日の食料品・生活用品の買い物をどこで済ませられるかをチェックしましょう。近所や駅からの道のりにコンビニエンスストアやスーパーマーケット、100円ショップなどがあるか。また車を使って大型のショッピングセンターを利用できるのかも見ます。週末に大型店舗でまとめ買いをし、平日は近隣の店で買い足しをするなど、使い分けができるかも見ておきたいものです。

 

このほか、子供の保育園や学校はもちろん、学習塾などの習い事施設や各種診療科の病院、金融機関、外食ができるレストラン、書店やスポーツショップといった自分の趣味に合った店もあるといいですね。

夜の環境状態も見る

夜の街の風景

現地見学は日中に行くことが多いでしょう。しかし家を買って住むとなると、昼間だけでなく夜も出歩く必要が出てきます。そこで物件の周辺環境を見るときは、必ず夜の状態もチェックしましょう。

 

【夜の治安面は要チェック】

子供や女性の場合、夜間の一人での外出・帰宅は危険が伴います。そのため、夜間の駅から家までの道筋は入念に見ておきましょう。人通りはどの程度あるか、街灯が少ない暗く狭い道はないか、何かあった時に駆け込める交番や遅くまで営業している店はあるかなどが、防犯上チェックしておくべきポイントです。

 

その他、人によっては風俗店やパチンコ店、墓地などは近くにない方がいいと考えることがあります。避けたいのであれば、物件の担当者に存在の有無を聞いておきましょう。

該当する「用途地域」も確認

土地には、それぞれ都市計画法で定められた「用途地域」が決まっています。用途地域の種類によって、建築してもよい建物の種類や用途、規模などが規定されています。購入予定物件の用途地域を知っておけば、建つかもしれない建物の種類がわかるので、住んだ後に周囲に店や工場が増えてうるさくなった、高い建物が建って日当たり、風通しが悪くなったなどという事態をある程度は避けられます。

 

【用途地域の種類】

用途地域は、以下の13種類に分けられています。参考にしてください。

 

〈住居系地域〉

 

(1)第1種低層住居専用地域

低層住宅、学校、診療所、寺院などが建設可能。12m以下の高さ規制がある。規定内であれば低層マンションも建築可。

 

(2)第2種低層住居専用地域

第1種低層住居専用地域の用途に加え、コンビニエンスストアやカフェなど、小規模な店舗・飲食店も建設可能。

 

(3)第1種中高層住居専用地域

住宅、病院、大学、中規模の店舗・飲食店などが建設可能。主に中高層マンションが建設される地域。

 

(4)第2種中高層住居専用地域

第1種中高層住居専用地域の用途に加えて、中規模のオフィスビルや1500平米以下の店舗も建設可能。

 

(5)第1種住居地域

住宅、病院、大学、店舗、飲食店、オフィスビル、ホテルといった建物が建設可能で、より大きなマンション建設される地域。

 

(6)第2種住居地域

第1種住居地域の用途に加え、パチンコ店やカラオケ店なども建設可能な地域。

 

(7)準住居地域

第2種住居地域の用途に加え、床面積200平方メートル未満の劇場類、倉庫業倉庫なども建設可能な、幹線道路沿いに多い地域。

 

(8)田園住居地域

農業やそれに関係する施設利用を促進しつつ、これらと調和した低層住宅の良好な住環境を保護する地域。建設可能な建物は、低層住居専用地域の用途と農業用施設に限られる。

 

〈商業系地域〉

 

(9)近隣商業地域

近隣住民への日用品を販売する店舗など、商業の利便を増進する地域。

 

(10)商業地域

近隣商業地域の用途に加え、キャバレー、個室付き浴場などの建設も可。

 

〈工業系地域〉

 

(11)準工業地域

著しく環境を悪化させる可能性がある工場、危険が大きい工場、危険物の取り扱い量が多い施設、個室付き浴場以外の、さまざまな建物が建設可能。

 

(12)工業地域

あらゆる種類の工場が建設可能。住居・店舗も一部を除き建設できるが、学校や病院、ホテルなどは建設不可。

 

(13)工業専用地域

工業の利便を増進するための地域。住宅や病院、ホテル、学校、老人ホーム、カラオケボックス以外の遊戯施設などは建設不可。

不動産お役立ち情報